

憲法7条6号
恩赦の認証
【弁護士】 憲法上,内閣は恩赦をすることができます。天皇陛下は,内閣がおこなった恩赦を認証します。
【生徒】 恩赦って,なんですか?
【弁護士】 犯罪者の罪を許してしまうことです。
【生徒】 ええ!いいんですか?そんなことをして。
【弁護士】 憲法上,そういう制度があります。
まあ,この恩赦という制度は,現代の人から見ると,
「なんだそれは?」
という感想をもつのもやむを得ないところがあります。
というのは,恩赦というのは,古代の中国王朝のような,非常に古い時代からの「君主の特権」みたいなものだったんです。
【生徒】 日本でも昔から,おこなわれていたんですか?
【弁護士】 日本に恩赦という制度が伝わったのは,大化の改新の時代ですね。 それ以来,非常にめでたい出来事とか,天変地異があったときに,恩赦がおこなわれることがありました。
【生徒】 最近でも恩赦ってあるんですか?
【弁護士】 ほとんどありません。
やはり,恩赦というのは,非常に古い制度であって,現代の国家制度とは,ちょっと合わないところが大いにありますから。
最後に大々的に恩赦が出たのは,日本が戦争に負けて占領されていた時代から独立を回復した,サンフランシスコ平和条約の締結時ですね。