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国民の権利及び義務 第10条~第40条
第25条 生存権、国の生存権保障義務

【生徒】 堀木訴訟は憲法25条の1項と2項の関係をどう考えるかに関連する判例だと習いました。
生存権関連の判例は事件名に原告の名前がつくことが多いですね!

【弁護士】 そうですね。判例には一般に名前のついているものとついていないものがあります。原告の名前や事件の起きた場所から名前がつくことが多いですね。
まぁそれはさておき、堀木訴訟はどのような事案でしたか?

【生徒】 原告が次男を養育するために、児童扶養手当の認定請求をしたところ、原告が障害福祉年金を受給していたために、併給禁止規定に該当するとして、認定請求が却下された事案です。

【弁護士】 併給禁止規定というのは、障害福祉年金と児童扶養手当の両方をもらうことはできませんよという規定ですね。裁判所はどのような判断をしましたか?

【生徒】 まず、大阪高裁は25条1項は困窮状態にある人に対する救貧施策を要求し、「健康で文化的な最低限度の生活」といえるかは厳格に審査すべきとしました。これに対して25条2項は国民が困窮状態にならないために防貧施策を要求しており、どのような施策をとるかは立法府の裁量に委ねられるとしました。
そのうえで、障害福祉年金と児童福祉手当は防貧施策とし、併給禁止規定は25条に違反しないとしました。

【弁護士】 よく勉強していますね。これがいわゆる1項2項分離論というものです。1項は国民が「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できるように、国に要求しているというものです。2項は「健康で文化的な最低限度の生活」以上の生活をできるように求めるものだというものです。

【生徒】25条1項と2項の役割が違うと考えるのですね!最高裁も同じように判断したのですか?

【弁護士】 最高裁は25条1項2項を分けて考えることはしなかったんだ。最高裁は①「健康で文化的な最低限度の生活」が、きわめて抽象的・相対的な概念であること、②その具体的内容は、その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきものであること、③国の財政事情を無視することができないこと、を理由に立法府に広範な裁量を認めた。結論として、併給禁止規定は憲法25条に違反しないと判断した。

【生徒】 朝日訴訟と同じく国に裁量が認められるのですね。たしかにどの程度の額を支給するかは、その時の経済事情にも関わるので裁量を認めざるを得ないですね。

【弁護士】 そうだね。でも、憲法25条が関わる問題は、まさに国民の生存が関わっているから25条違反はもう少し厳格に審査しようとする学説も有力になっているね。

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