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国民の権利及び義務 第10条~第40条
第25条 生存権、国の生存権保障義務

【弁護士】 次に、憲法25条に関連する代表的な判例をみていきましょう。最初は朝日訴訟からです。どんな事案か分かりますか?

【生徒】 月額600円の生活扶助費が「健康で文化的な最低限度の生活」を維持する水準に達していないのかが争われた事案です。月額600円は安すぎるので明らかに「健康で文化的な最低限度の生活」を維持する水準には達していないように思うのですが・・・・。

【弁護士】 この事案は、1965年当時なので今の600円とは貨幣価値も違います。それでも、当時の月額600円で肌着2年に1着、パンツ1年に1枚、ちり紙1月に1束が買えるというものでした。

【生徒】 全然「健康で文化的な最低限度の生活」に達していないじゃないですか!違憲ですよ!違憲!

【弁護士】 最高裁では、原告が死亡したために訴え却下となったんだ。その上で、「なお、念のため」として以下のように述べた。
・憲法25条はすべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない。
・健康で文化的な最低限度の生活なるものは、抽象的な相対的概念であり、その具体的内容は、文化の発達、国民経済の進展に伴つて向上するのはもとより、多数の不確定的要素を綜合考量してはじめて決定できるものである。したがって、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの認定判断は、いちおう、厚生大臣の合目的的な裁量に委されており、その判断は、当不当の問題として政府の政治責任が問われることはあつても、直ちに違法の問題を生ずることはない。

【生徒】 それってつまり生活扶助するけど、いくら支給するかは国の自由ということですか?

【弁護士】 大臣の裁量に委ねられるということは、裁量を逸脱、濫用した場合には違法になるってことだね。分かりやすく言うと、支給額があまりに低すぎるというような場合に限って違法になるんだ。

【生徒】 なるほど!国が全く自由に額を決めることができるわけじゃないんですね。

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