

22条2項(外国移住・国籍離脱の自由)
【生徒】 この規定は、文言どおり、外国へ移住する自由のことですね?
【弁護士】 そうですね。ここには、強制的に外国へ移住させられない自由も含まれています。また、一つ議論のあるところですが、外国への移住に類似するものとして、外国旅行の自由もこここに含まれるとするのが一般的な考え方のようです。
【生徒】 今度、友達と海外旅行をしようと計画しているのですが、初めての海外旅行でして、パスポートを発行してもらわないと…。仮に、発行が拒否されてしまった場合に、それは22条2項に違反しているということは言えるのでしょうか?
【弁護士】 パスポートの発行を拒否できる規定や拒否処分については、実際に争われたことがあります。ただし、最高裁判所は、外務大臣の考えに任せる態度をとっており、憲法に違反しないと判断しました。
【生徒】 そうなのですか。外務大臣の専門性を尊重したということですね。では、国籍を離脱する自由についてですが、これによればいつでも日本国籍を離脱できるのですか?
【弁護士】 そうです。ただし、国籍離脱の自由には、日本国籍を失って無国籍になる自由までは含まれないと解されています。そのため、日本国籍を離脱する場合には、どこかの国の国籍を取得していなければなりません。