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国民の権利及び義務 第10条~第40条
第10条 日本国民の要件

【弁護士】 憲法10条は「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と定めています。これを受けて、国籍法が国籍取得の要件について定めています。このように憲法は、日本国籍をどのような場合に取得できるかということについて、法律に委ねているのです。なぜ、憲法は法律に委ねたのでしょう?

【生徒】 うーん。憲法に書くのは、めんどくさかったとか?国籍をどのような場合に取得できるとか決めるのは、複雑そうだし…。

【弁護士】 あながち間違っていないような気もしますが、、、。具体的にどのような人に日本国籍を与えるべきかは社会状況によっても変化しうるから、立法府に任せることで、社会状況に合わせた国籍要件の定立をはかったのではないかと思います。

【生徒】 立法府に任せられているということは、立法府は日本国民であるための要件を好きなようにに定めていいのでしょうか?

【弁護士】 日本国籍は、憲法で定められた基本的人権の保障、公的な資格の付与、公的給付等を受ける上で意味を持つ重要な法的地位ですよね。そのような重要な法的地位について定めるのですから、立法府は慎重にならなければならないと考えられています。例えば、父親がA国籍だったという理由のみで日本国籍を与えないという風に、その人にとってあまりにも可哀想な状況を作ってしまうような要件は許されないでしょう。
判例でも、「国籍の取得に関する法律の要件によって生じた区別が、合理的理由のない差別的取り扱いとなるときは、憲法14条1項違反の問題を生ずる」として、立法府の裁量について限界を認めています。この判例は、父母が子の出生後に婚姻するかしないかによって日本国籍を取得できるかできないかが決まるのは不平等だから、父母の婚姻要件は許されない!としたのです。

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