わかる、かんたん!日本国憲法

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憲法ってむずかしい,法律ってむずかしい
そういう声をよく聞きます。

日本人の99パーセントは,
「日本国憲法をよく知っているか?」と,たずねられたら,
「日本国憲法というものが存在することは知っているが,それ以上のことは知らない」
という回答になるのではないでしょうか。

残念ながら,日本国憲法は,普通の日本人にとって縁遠いもののひとつです。

日本国憲法は,長い間,ごく一部の,大学教授,官僚,政治家の独占物のように扱われてきました。
権力をもった人は,難しいコトバで日本国憲法を語ることで,ごく普通の日本人を日本国憲法から遠ざけられてきたように思うのです。

しかし,
日本国憲法を,一部の権力者だけのものにしてはいけない,
一部の特殊な政治思想をもつ人だけのものにしてはいけない,
ごく普通の日本人こそ,日本国憲法を知るべきだと思うのです。

そのためには,日本国憲法を「はじめて学ぶ人」のために特化したウェブサイトが必要だと思うのです。

ここでは,「難しいコトバ」は禁止です。
「やさしい言葉」
「わかりやすい会話文」
で日本国憲法を学んでいきたいと思います。

日本には,日本国憲法を「よくは知らない」人が99パーセントなのですから,
遠慮する必要はありません。

テレビや新聞で偉そうにしている学者の先生だって,本当は,日本国憲法をあまりよくは知っていないのです。

日本国憲法は,国の最高のルールです。
学校よりも,会社よりも,得意先よりも偉いのです。
偉そうな官僚よりも,政治家よりも,裁判所よりも偉いのです。

そういう,最高のものを勉強するということは,
なんとすてきなことだと思いませんか?

日本国憲法を知っていることは,カッコイイことだ

多くの日本人がそう自信をもって言えるような社会にすることが,私の願いです。

【コラム】日本国憲法は,世界最高の憲法?

日本国憲法は,第二次世界大戦のあと,1946年(昭和21年)に成立した憲法です。

世界の主要国の憲法のなかでは,かなり時期的には遅く成立した憲法だと言ってよいでしょう。
しかし,「遅い」ということは,悪いことではありません。

というのは,あとから制度を導入した国というのは,先進国がいろいろと苦労してたどりついた最新の結論を労少なく導入することができる,というメリットがあるからです。
古い建物をリフォームしながら改善していくよりも,なにもない空き地に,どーんと大きな最新設備のビルを建てる方が楽なのと同じことです。


その意味では,日本国憲法は,主要国の憲法のなかでは,遅い時期に成立したために,世界の最新の政治理論を導入できたという面もあります。


世界の主要国の人々が,日本国憲法のレベルにたどりつくまでには,革命,内乱,デモ,選挙,政争,というような,多くの時間や,優秀な人命,政治的コストが必要でした。


たとえば,日本国憲法には,第18条に「奴隷的拘束及び苦役からの自由」という条文があります。つまり「奴隷制度禁止」ということです。
憲法を学習しているときには,とくに論点も少ないので,一読するだけで終わることが多い条文です。
しかし,アメリカ合衆国が,この「奴隷制度禁止」にたどりつくためには,どういう犠牲が必要だったでしょうか?


南北戦争が必要だったのです。

あしかけ5年にわたって,アメリカ合衆国が2つに割れた内戦です。
この戦争でアメリカ合衆国は50万人の戦死者を出しました。
これは,アメリカ合衆国の戦争犠牲者としては,いまだに破られていない最悪の戦死者数です。
50万人分の生命,5年間の内戦という犠牲のうえに,「奴隷制度禁止」という憲法の条文が獲得されたのです。


また,たとえば,憲法20条1項「信教の自由」という条文があります。
この信教の自由も,歴史的に,非常に多くの人命を費消した条文です。
ヨーロッパでは,少なくとも中世には信教の自由は全くなかったので,カトリック以外の宗教を信じた者は火あぶりで 殺されました。


信教の自由の基礎となる考え方が認められはじめたのは,ウェストファリア条約(1648年)です。
この条約は,ドイツの三十年戦争を終わらせる条約でした。
三十年戦争の戦争犠牲者は400万人と言われています。


日本で歴史上最大の合戦は関が原の戦いですが,関が原の戦いの戦死者は6000人程度とされることを考えると,その600倍以上の死者が出たということです。


そのことを考えれば,憲法20条1項「信教の自由」を人類が獲得するために必要であった犠牲は400万人以上の人命だったとも言えます。

戦争は政治の一部です。
世界の主要国の政治は,戦争,革命,内乱,デモ,政争,というような,政治的な犠牲を出しながら,現在まで進化してきたのです。


日本国憲法は,そのような,世界中の人々の貴い犠牲のうえに成立している,人類が到達した精華であるともいえるでしょう。

憲法の条文の,ひとつひとつの条文の背景には,何万人,何十万人の努力,奮闘,人生,人命が必要だったのです。


そう考えれば,憲法の前文にいう
「平和を維持し,専制と隷従,圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会」
という言葉は,中身のない美辞麗句ではなく,まさに,政治の面で,人類がたどってきた,今までの歴史を語っていると理解できるのです。

日本国憲法は,世界最高の憲法のひとつといえるでしょう。

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